サメというのは、一般的に「海に出現する生物」というイメージを持つ方が大半であろう。
いや、それは間違いではないのだが・・・
中にはそれが当てはまらない型破りなサメも存在する。
しかも、人を食うこともあるからより一層性質が悪い。
映画のせいで、「ビーチで水着美女がサメに襲われて叫ぶ」・・・なんてイメージがこびりついているが、じゃあ川でボートを漕いでいたらパニック映画で見覚えのある三角形のヒレがこちらに向かってきて・・・なんて事態に遭遇したら、皆はどういうリアクションをするだろうか・・・?
そこで今回紹介するのは、オオメジロザメ。
大型の肉食ザメだ。
オオメジロザメはホホジロザメ・イタチザメと並びよく人を襲うことから「ビッグ3」と呼ばれているサメの一角である。
オオメジロザメはいわばその「三番手」ではあるが、その特殊な生態と特技により、サメの中でもかなり存在感のある種だ。
ホホジロザメやイタチザメほどの大型種ではないが、その胴体やヒレの形や、ギザギザな牙といった特徴はいかにも「人を襲うサメっぽさ」を全身で表現しており、大変骨太で男らしい、正統派な肉食ザメに見える。
その一方、その特技をもって意外な場所に出現して人々をパニックに陥れるなど、搦手も得意とする器用なヤツでもある。
今回は、そんなオオメジロザメを紹介していこう。
オオメジロザメの基本情報
分類 | メジロザメ目、メジロザメ科、メジロザメ属、オオメジロザメ種 |
学名 | Carcharodon leucas |
主な生息地 | 太平洋、インド洋、大西洋の熱帯から亜熱帯の海域および一部河川 |
サイズ・体重 | 平均2.2〜2.4mメートル(最大全長3.4〜4.0m) 体重95キログラム前後(最大300kg以上) ※最大サイズおよび平均サイズには諸説あり |
活動場所 | 26℃以上の水温を好み、気温の変化に合わせて季節ごとに移動。水深20m以浅の海底で獲物を探す。また、淡水でも生息可能。 |
食性 | 肉食 |
人に対する危険度 | A(ISAF(国際サメ被害目録)の記録では3位) |
オオメジロザメの一般的な大きさや外観の特徴などについて
オオメジロザメは、全長が最大4mにもなる大型のサメである。
ホホジロザメやイタチザメよりは小さいが、平均的なイタチザメよりは大きい、3メートル以上の大型個体も確認されている。
オスよりもメスの方が大きく、オスは157~226cm、メスは180~230cmで成熟期を迎える。
寿命はオスで約12年、メスは約16年とされるが、最大32~50歳程度まで成長するケースもある。
本種を含むメジロザメ系のサメ達のフォルムは一目で「サメ」だと分かるが、腹部が太く、全体的にずんぐりとした体型であり、これはメジロザメ系のサメの特徴である。
一方、オオメジロザメは他のメジロザメ系に比べると「白っぽい」体色が特徴である。
オオメジロザメの学名の種小名の「leucas」とは「白銀の」を意味しており、これは腹部が真っ白であることに由来している。
沖縄では「シロナカー」と呼ばれているのだが、これも「シロいナカ(お腹)」という方言に由来する呼び方であり、オオメジロザメの特徴の一つである。
また、英語圏では「Bull Shark」すなわち「ウシザメ」と呼ばれている。
オオメジロザメの生態と行動
餌と捕食行動
さて、そんなオオメジロザメだが、流石に「ビッグ3」に数えられるだけあって性格は非常に凶暴。
食性も「ザ・肉食」であり、「肉」であれば軟骨魚類、硬骨魚類、海鳥類、海棲哺乳類、鯨の死肉、果ては同じサメであろうと食べてしまう。
人間も例外ではなく、オオメジロザメによる捕食&死亡事故もイタチザメなどと並んでよく報告されており、海水浴場や港付近にも普通に出没するため注意が必要である。
また、獲物を追跡する際は非常に激しく動き、素早く獲物を仕留める狩りを得意とする。
繁殖と子育て
オオメジロザメの繁殖は、サメとしてはメジャーな胎盤形成型である。
およそ1年以下の妊娠期間で、全長56~81cmの子ザメが産まれてくる。母ザメは最大で13尾のサメを産むことができる。
生まれて5年間は非常に成長スピードが高く、年平均15〜20cm大きくなり、その後6〜10年では年平均10cmほどの成長速度、それ以後20歳ごろまで徐々に成長速度を落としながら成熟していく。
雄はだいたい157~226cm、雌は180~230cmで大人となる。
なお、最大32〜50歳程度まで成長する可能性もあるという。
淡水域で生息している個体も、基本的には海を下って子ザメを産む。
ただし、かつて洪水で流されてゴルフ場の池に住み着いたオオメジロザメがそこで子供を産んで繁殖したという記録もあり、海での出産は絶対ではないようだ。
オオメジロザメの回遊パターンと移動・生息範囲
オオメジロザメは温かい海域を好み、26℃以上の水域を、気温の変化に合わせて季節ごとに移動を行う。
例えば西大西洋では一部のオオメジロザメが夏にアメリカ海岸に沿って北に移動し水温が下がると南下し、熱帯に戻ることが確認されている。
基本的には水深20m以浅の海底をゆっくりと泳ぎ、1日で平均5〜6km移動する。
そして、ここがオオメジロザメの最大の特徴なのだが、こいつらは海だけでなく淡水域でも生息できる。
オオメジロザメは、河口や汽水域などの濁った水域を好み、さらに海から川を遡り上流にある湖などの淡水域に住み着くことがある。
オオメジロザメの保護状況と脅威
現在の生息数と保護状況
人間活動による影響と脅威
水族館でのオオメジロザメの展示
世界の主要な水族館での展示事例
展示における課題と取り組み
オオメジロザメの研究と発見
最新の研究成果とその重要性
科学者による注目の発見
オオメジロザメの文化的および経済的影響
映画や文学での登場例
ダイビングやエコツーリズムへの影響
ニュージャージー州サメ襲撃事件の真犯人?淡水でのサメ襲撃の謎
オオメジロザメとの共生と未来の展望
環境保護活動の紹介
将来の保護策と共生の可能性
「オオメジロザメ」まとめ・・・他にはない圧倒的強みによる存在感!
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